映画トリツカレ男感想

 

絵柄が気になりすぎて観に行きました。

事前情報はどうやら泣けるらしいぞ、でも同監督のロボとーちゃんは泣くまではいかなかったしどうなのかな?くらい。以前映画館で見た予告も忘れ去ってた次第。観客は九割が女性客でした。

最初こそ絵柄に戸惑うけど、見ていけばすぐに昔ながらの日本アニメスタイルだとわかったので親しみを持って見る事が出来た。

往年の出崎統作品、エースをねらえやガンバの冒険やAプロ時代のど根性ガエルや元祖天才バカボンなどでよく見られた、なるべく情報量を抑えて、見せたいものに目が行くようにコントロールするビジュアルや、光源や雪など丸く描かれがちな自然描写を多角形の形にまとめる事でキャラクターの抽象表現と馴染ませる効果などが令和に復活したのが素晴らしい…。

昔の作品見るたびに今でもこの表現やったって全然イケてるのになと思っていた事が実現できている!

この絵柄でも今のアニメーターはちゃんと動かせてるし、どの辺がCGなのかよく分からんかったけど(カーチェイスシーン?)、CGも馴染んでる!

シンエイ動画はここんところ毎年

『窓ぎわのトットちゃん』『化け猫あんずちゃん』『トリツカレ男』と、現代の流行りに乗らない、良心的な内容でありつつも表現では挑戦をする作品が続いていてホントすごい。その企画にGOが出せてちゃんとまとまった作品に出来てる環境が羨ましい!

最近はヒット作が全部ジャンプアニメに偏ってきてて新しい作品もジャンプだらけになってきてて、ワクワク感がないので、そんな中で大手アニメ会社がこういう当たるのか分からない作品を手堅く作り続けてる姿勢にとても敬意を表する。まだまだアニメが好きになれる!


ビジュアル面じゃないところでの感想だけど、

正直ミュージカルパートは悪くないけどノレることもなかった感じ。ディズニーの美女と野獣、アラジン、アナと雪の女王くらいしかミュージカルアニメでノレたのはなかったので、今回ハマらなかったのは自分がミュージカルにそんなに興味ないのが理由だと思う。

キャラクター描写はどのキャラもマイナス面を見せる時でも、見てて不愉快になるラインまでは行かずに好印象に感じさせる動作や他キャラからの解説が見事だった。最初に有りがちな悪役として借金取立て水商売に陥れる説明を入れてきたのに、主人公がツイスト「親分」と常に敬意を持って接してることで双方のキャラに対してとても好印象を持たせたのが良かった。


設定面でトリツカレという何かに没頭することで周りが見えなくなる事に対しても周囲の人たちは批判はしても排除はしないという扱いがストレスなくて良い。

ただ、主人公のトリツカレがある時やめてしまうという部分はハマっていたモノの上限である天井が見えるとここまで来れた事に満足してしまい飽きてしまうやつなんだと思うけど、

それって口説いてた女の子がこっち向いたらもう興味なくなるやつにも繋がるんじゃないのとか思ってハラハラして見てた。実際途中でネズミとの会話が出来なくなり、ネズミと友達だったことまで忘れてしまった見せ方が出た時にはバッドエンドが来ると思ってしまった…。

実際当初はこれは恋とかではないみたいな事を言ってたし、恋愛的なものではなく好きな相手の幸せを願う推し文化に当たるものに見えた。

それだけに男の趣味推しと女からの恋愛としての好意ですれ違いが生まれるのか⁈と言うのが最後まで気に掛かってしまい、周囲のお客さんが泣いてる中でもその辺に気がいってしまって引いて見てしまっていた。

実際にはエンディングで2人でパン屋を始めたようなイメージイラストもあったし、別れるようなことはなかったんだと思う。劇中見落としてるだけで、今までのトリツカレとは違うという変化があったのかな…?


そんな感じでちょっと引っかかる部分があったらロープウェイ事故死のシーンが来る前はちょっと展開に飽きを感じたりしてたけど、概ね楽しく見る事が出来た!良作だと思います!



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